第56回 阪神ジュベナイルフィリーズ 晴・良
1. … ショウナンパントル 吉田豊 ⑧ 1:35.2 2. … アンブロワーズ ホワイト ③ アタマ 3. ◎ ラインクラフト 福永祐一 ① ハナ
∴ 的中馬券なし
「3頭併せの真ん中は伸びる」の格言通り、ショウナンパントルが頭差抜け出した。
函館2歳Sから +22kgと馬体を戻して臨んだアンブロワーズは、先行抜け出しの正攻法で「勝ち」にいったものの、惜しくも2着。断然人気を背負ったラインクラフトは、最後は2頭と同じ脚色になり、思ったよりも弾けなかった。
ラップタイム
上り 47.6 - 35.8
12.4 - 11.1 - 11.7 - 12.4 - 11.8 - 11.7 - 11.6 - 12.5
キャントンガール、テイエムチュラサンが引っ張る、平均的なペース。
時計だけ見れば、前が総崩れするような展開でもないし、後方から脚を余すような展開でもない。しかし、結果は、前に行ったカシマフラワーらが壊滅状態になり、後ろから追走したライラプス、リヴァプールもスタミナを使い果たしてまったく伸びず。
こういうのは「精神的ハイペース」とでも呼ぶべきだろうか。
アンブロワーズ、ラインクラフトが前々でレースしたせいで、先行集団には見えないプレッシャーがかかっていたのだろう。最近、流行の「スローペースでよーいドン! 末脚は33秒台!」決着ではない。タップダンスシチーが出てきた時のような展開。
それを耐え抜いた上位3頭は、普通に「強い」と思う。
ラスト1ハロンで12.5秒もかかっていることが、このレースが単なるスピードだけではなく、スタミナをも要求したサバイバルレースだったことを物語っている。この3頭は「魔の桜花賞ペース」を克服したということ。素直に評価したい。
□
しかし、今年の2歳牝馬は、思ったよりもハイレベルかもしれないぞ。
デイリー杯2歳Sの敗戦を糧に、関西輸送を克服したショウナンパントル。新潟2歳Sを見た時は、父サンデーサイレンスの瞬発力だけが武器の馬だとしか思わなかったが、さすがは母父インザウィングスだけあり、欧州型サドラーズウェルズ系のスタミナもしっかりと受け継いでいる模様。今後、距離が伸びても心配ないだろう。
アンブロワーズは、ラスト100mでぴったり止まったし、マイルまでが限界かな。
断然人気を裏切ったラインクラフトも、まだまだ見限るのは早い。スローペースの瞬発力勝負では無類の強さを誇ることからも、京都好走型であることはまず間違いないだろうが、はじめて経験した厳しい流れで、しかも外々を回っての僅差3着なら、悲観する内容ではないと思う。距離も2000mぐらいまでなら大丈夫そう。
この布陣にレースパイロット*1 が加わるのか。来年の桜花賞が待ち遠しい。