オオカミ少年 -超-

だらだらと当たらない予想を書き続けていたら元号が変わっていたの儀

第29回 エリザベス女王杯   曇・良

1. … アドマイヤグルーヴ   武豊   ② 2:13.6
2. … オースミハルカ     川島信二 ⑤ 3/4
3. … エルノヴァ       ペリエ  ④ 1 1/4

∴ 的中馬券なし


エリザベス女王杯4連覇! 武豊様には恐れ入りました!
本当に「上手いな」と感じた騎乗だった。道中はスティルインラブの直後でプレッシャーをかけつつ、スイープトウショウからはセーフティリードを保ち、前のオースミハルカからも目を逸らさないという完璧な位置取り。


特に、4コーナーでの騎乗は芸術そのもの。
すぐ横にいた幸英明(スティル)は大外へ回ったのに対して、武豊オースミハルカが抜け出したためにぽっかりと空いたスペースに入り込み、状態のもっとも良い馬場の中央から突き抜けた。こうなってしまえば、スイープトウショウが33秒2で追い上げようとオースミハルカが抜群の粘り腰を発揮しようと関係ない。ファインモーションが「武豊が乗ってくれないなら」という理由で回避したのもわかる気がした。あの男は京都競馬場を知り尽くしている。この日のアドマイヤグルーヴを差し切るには、33秒0レベルの極限の末脚でのイン強襲しかない。そして、そういう芸当ができるのは横山典弘しかいない。大外にまわした池添謙一は5着に敗れた。負けに不思議な負けはなし。





ラップタイム

上り  47.5 - 35.4
12.6 - 11.2 - 12.4 - 12.5 - 12.3 - 12.6 - 12.5 - 12.1 - 11.6 - 11.6 - 12.2

予想通りのメイショウバトラーの単騎逃げ。
あいだに13秒台を挟もうと思えば挟めたのだろうが、超スローに落としてしまうとサンデー系の瞬発力に敗れてしまう恐れがある。武幸四郎が選択したのは「超スロー」ではなく「マイペース」での逃げだった。


ただ、予想外だったのはオースミハルカの仕掛けが早過ぎたこと。
川島信二の頭の中にも「瞬発力勝負にしたくない」という考えがあった。この馬にも距離の不安が少なからずあったが、仕掛けないで負けるよりは仕掛けて負けたほうがいい。それは若さゆえの思いきりのよさだった。こうなると武幸四郎はペースを上げざるを得ない。結果的に4ハロン勝負へ。


馬体重は±0kgと変化なし。その辺も影響したのかもしれない。
直線はグリーンベルトのやや内側へ。馬場の中央を通るオースミハルカに抜かされると、もう抵抗する力は残ってなかった。自分から動いたのではない、「動かされた」ゆえの敗戦。負けに不思議な負けはなし。





スイープトウショウは、またゲート入りを嫌がり、スタートで後手を踏む。
直線は大外から33秒2で追い上げてるが、ラスト1ハロンではエルノヴァに差し返されている。*1 彼女の極限の末脚は、京都の外回りでフルに使えるほど完成しているわけではなかった。1600m〜2000mなら古馬相手にも通用するだろうが、京都2200mはゴマカシが利かないコース。彼女は女王に君臨するには早すぎたということ。「来年への課題が見えた」という点ではよかったかもしれない。


さて、スティルインラブはもう引退したほうがいいかな。

*1:エルノヴァの上がりは33秒4