キングヘイローの恩返し
その昔、欧州最強馬ダンシングブレーヴとアメリカでGⅠを7勝したグッバイヘイローの子として脚光を浴びたキングヘイローは、福永祐一騎手に導かれて東スポ杯2歳S*1 まで3連勝。年末のラジオたんぱ杯2歳Sで格下相手に取りこぼしたものの、東のグラスワンダーに対して、「西の怪物」と騒がれた。
しかし、GⅠの称号はそう簡単には手に入らなかった。俗に言う最強世代。セイウンスカイ、スペシャルウィーク、エルコンドルパサー、グラスワンダー、エアジハード、アグネスワールド。どの路線を歩もうとも、同期のライバルたちが立ちはだかった。そして、福永騎手はキングヘイローを降りることになる。4歳以降、短〜中距離路線を歩み始めた彼が初めて獲得したタイトルは、芝1200mの高松宮記念だった。鞍乗は柴田善臣大先生。2着にディヴァインライト*2 を従えての悲願達成。
月日は流れて、キングヘイローも種牡馬になった。同期のライバルだったスペシャルウィークはシーザリオ、エルコンドルパサーはソングオブウインドを輩出し、キングヘイローも負けじとカワカミプリンセスという傑作を送り出した。しかし、福永騎手は複雑な想いで一杯だった。自身のオークス3連覇は、そのカワカミプリンセスによって砕かれた(フサイチパンドラで1/2差で2着)のだから。
今回のカワカミの斜行→降着劇は、キングヘイローから福永騎手への贈り物だったのかもしれない。
…なーんて、モーヲタっぽく「物語」にして消化してみた。