第46回 宝塚記念 晴・良
1. … スイープトウショウ 池添謙一 ⑪ 2:11.5 2. … ハーツクライ 横山典弘 ③ クビ 3. ▲ ゼンノロブロイ デザーモ ② 1 1/4
∴ 的中馬券なし
ラップタイム
上り 4F 47.8 - 3F 36.1
12.9 - 11.1 - 11.2 - 12.3 - 12.4 - 11.8 - 12.0 - 11.7 - 12.1 - 11.8 - 12.2
前半1000mの通過タイムが59.9秒。時計的には平均ペースなのだが、常に11秒台後半〜12秒台前半で流れていく淀みない流れ。先行馬も後続馬も一様にスタミナを消耗、ロングスパート大歓迎のサバイバル戦。タップダンスシチーが出るレースでは、得てしてこういうペースになる。暴走特急コスモバルクも出てきたのだから尚更。
こういうレースでは、「ハイペースなので追い込み有利」というセオリーは通用しない。後方で死んだふりに徹していても、馬群を追走するだけでスタミナを食ってしまうからだ。本当に強い馬以外は脱落していく。 昨年の宝塚記念、有馬記念のように。
ゲートが開く。逃げるシルクフェイマス、1コーナーでさっそく交わしにいくコスモバルク、絶好位から追走するタップダンスシチー、それを見るようにしてゼンノロブロイ、外々をまわってスイープトウショウ、同じ位置にリンカーン、後方に控えるハーツクライ。
埒をとりたいタップが仕掛けたのは第3コーナー。しかし、コスモバルクがムキになってペースを上げる。格下の思わぬ抵抗に戸惑うタップ。それでも強引に先頭を奪おうとする。これが私の生きる道。バテたコスモバルクがロブロイの進路を奪う。漁夫の利を得たのは、福永祐一のリンカーン。4角2番手、一昨年の有馬記念の再現だ。
すでに余力がないタップダンスシチー、大本命を交わして果敢に先頭に踊り出るリンカーン。しかし、ここまでだった。進路がなくなって仕掛けを遅らされたゼンノロブロイが迫ってくる。リンカーンと一緒に早仕掛けしていたら、共倒れしていたことだろう。不利がプラスに働くこともあるのだ。ゼンノロブロイが先頭。しかし、外から一気に・・・
スイープトウショウにしても、ハーツクライにしても、阪神の重厚な芝でサバイバルマラソンするよりも、東京・京都の軽い芝で瞬発力を生かすのが得意なタイプ。そんな2頭にまとめて交わされてしまうのだから、ファンが思っていた以上に実力伯仲のレースだったということ。終わってみれば、「低レベル」と言われ続けた明け5歳組のワンツー決着。
「2強対決」というイメージは、ファンが勝手に作り出した幻想世界だった。抜けている馬がいないのであれば、セオリー通りに後方待機組を狙えばよかったのだ。マヌーサを見抜けた人だけが取れた馬券。井崎脩伍郎先生、あっぱれである。
僕の◎トウショウナイトは6着が精一杯。前走が芝3200mだったこともあってか、追走に手間取っていた。芝2200mは少し短いのかもしれない。それでも無理して先行して欲しかったけどね。GⅠを勝ちたければ、騎手を変えたほうがいいかもしれない。リンカーンは「勝ちに行った」のだからしょうがない。よく頑張ってると思う。
後から考えてみれば、「2強」は弱点だらけだった。ゼンノロブロイは有馬記念以来のレース。シンボリクリスエスの前例があったので、これは多くの人が見抜いていた。だからこそ、ファン投票1位にも関わらず2番人気という低評価。問題は、その影に隠れて、あたかも「完璧」に映ってしまったタップダンスシチーである。
タップダンスシチーの場合、少ない追い切りである程度仕上がるタイプ。その状態のまま前哨戦を使うことで、グンと調子を上げるんだ。だからこそ、前哨戦では厳しい競馬を経験して、内臓に負荷をかけておく必要がある。辛勝した前哨戦の後はしっかりと結果を出しているが、大楽勝したジャパンカップ後の有馬記念は大惨敗。
これがタップダンスシチーに対して、僕が感じとっていた「違和感」の正体だ。そして、それが現実になった。年齢的な衰えではないと思う。秋は天皇賞、ジャパンカップに向かうとのこと。この敗戦で人気が落ちるようなら面白い。もちろん、コスモバルクが目の上のたんこぶなのは変わらないのだが・・・