第66回 優駿牝馬 晴・良
1. ○ シーザリオ 福永祐一 ① 2:28.8 2. … エアメサイア 武豊 ② クビ 3. … ディアデラノビア デザーモ ③ クビ
∴ 的中馬券なし
ラップタイム
上り 4F 46.6 - 3F 34.4
12.6 - 11.3 - 13.2 - 13.1 - 12.9 - 13.4 - 13.1 - 12.6 - 12.2 - 11.5 - 10.9 - 12.0
好スタートを切ったエイシンテンダーが迷わずハナへ。ジェダイト、アスピリンスノーは控えて2番手集団、エアメサイアは中団少し前の絶好位、スタートがよくなかったシーザリオは後方3番手に置かれてしまう。場内がざわめく。
前半1000mは63.1秒、超スローだ。その後も13秒台の遅ラップが続く。まるで歩いているようなものだ。しかし、シーザリオは周囲の追い込み勢に外からガッチリと塞がれてるため、動くにも動けない絶望的な位置に入ってしまう。場内の歓声が悲鳴に変わる。まだ、後ろだ! この位置でいいのか!(いいわけがない)
第4コーナーを周った。前日のオペラシチーラインを通って、エイシンテンダーが突き抜ける。シーザリオはまだ後ろだ。しかも、前が詰まっている。よし、逃げ切った。この時点でガッツポーズ。僕はウィンズで「幸四郎!」って叫んだ。ついでに、調子に乗って「アヤパン!」って叫んだ。そしたら、直線坂下でバテやがった(笑
幸四郎の馬に代わって先頭に踊り出たのは、絶好位で脚をためていた兄貴の馬だった。外からデザーモの馬も来ていたが、すでに手応えはない。やっぱり、武豊は上手いなぁ。誰もがそう思った瞬間、大外から漆黒の馬体が弾け飛ぶ。少し遅れて右手を挙げる福永祐一。上がり3F 33.3秒。おい、シーザリオって牝馬だよな…
スローになると見越して、「逃げ」戦法に出た武幸四郎とエイシンテンダー。この判断は間違ってない。道中も非常にリラックスして走っていた。直線でも余力があった。直線坂下でバテたのは、距離の壁だろう。ジェダイトあたりがもう少し食い下がってくれれば、結果は違ってたのかもしれないが。でも、実力は出し切っている。
武豊のエアメサイアは、最高のレースをした。マークが集中してチグハグな競馬になったライバルを尻目に、絶好位から正攻法で勝ちに行った。あれ以上の騎乗はない。それで負けたのは、もう純粋に馬の性能の問題。勝った相手を褒めるしかないだろう。
ディアデラノビアはパドックでイレ込みすぎ。すごい発汗だった。さりげなく進路をカットしたり、内のエアメサイアと併せたり、外のシーザリオに馬体をぶつけに行ったりと、デザーモ騎手の必死の騎乗で3着確保。秋への課題は気性面の成長だな。
一番下手クソな騎乗をしたのが、シーザリオと福永祐一だった。勝利騎手インタビューで反省の弁に終始したのも頷ける。その不利を跳ね返して、直線でまとめて差し切ったシーザリオは本当に強い。オークスのような瞬発力勝負でも勝てて、寒竹賞のように平均ペースで押し切ることもできる。古馬になってから牡馬相手にも通用するのはこういう馬。今回のダメージが残っていなければ、アメリカンオークスも勝てるだろう。
結局、桜花賞1,3着がNHKマイルCでワン・ツー、桜花賞2,4着がオークスでワン・ツー。桜花賞のレベルがそれだけ高かったということか。その4頭が再び集結するであろう秋華賞が楽しみだ。坂のない平坦コースなら、器用なラインクラフトは3割増し。不器用なシーザリオは2割引き。さて、福永祐一はどっちに乗るのかな。