東京11R オークス 芝2400m
◎エイシンテンダー 5人気 4着
○シーザリオ
注アドマイヤメガミ
桜花賞前から「オークス向き」と呼ばれる馬がいる。それは血統的背景から長距離に適性がある馬だったり、気性がよくて折り合いに難のない馬だったりする。しかし、そういう馬たちは元々潜在能力が高いので、とりあえず出走した桜花賞でも好走してしまうことが多いのだ。その結果を見て、競馬親父は口を揃えて言うのである。
「あぁ、オークスは決まりだ!」ってね。
ダンスインザムード 桜 1人気1着 1.33.6 樫 1人気4着(+14kg) アドマイヤグルーヴ 桜 1人気3着 1.34.2 樫 1人気7着(+12kg) トゥザヴィクトリー 桜 5人気3着 1.35.9 樫 1人気2着( -6kg) メジロドーベル 桜 2人気2着 1.37.6■ 樫 2人気1着( -2kg)
しかし、歴史を紐といてみると、案外そうでもない。ここに挙げたのは蒼々たるメンバーばかりだが、期待されてるほどの結果は出ていない。ただ、上の2頭については解釈がわかれるところで、馬体重の増減から「調整ミス」だと結論つけることもできるし、桜花賞の走破タイムから「マイラーじゃん」と結論づけることも可。
さて、「オークス向き」との前評判を覆して桜花賞で激走したシーザリオだが、その走破タイムは1分33秒5だった。同厩舎にディアデラノビアがいることだし、さすがに勝負を舐めての調整ミスはないと思うが、もしかしたら瞬発力に富んだマイラーなのかもしれない。「オークス向き」というのは、単なる噂話なのかもしれない。
オークスの好走に必要なものは、あくまでも「瞬発力」であって、血統的背景による距離適性ではない。それは、まったく条件の違うはずの桜花賞を勝った馬が、オークスでも好成績を収めていることからもわかる。オークスなんて実質2000mのレースでしかない。マイラーでも克服可能なのだ。昨年の結果なんて、まさにそれだし。
もし、シーザリオが超マイラーだったとしても、距離を克服することはできるだろう。でも、それは他の馬だって同じだ。どの馬にだって等しくチャンスはあるはず。にも関わらず、前日発売の単勝オッズが1.5倍という圧倒的な支持っぷり。「オークス向き」という言葉を鵜呑みにされて、ここまで過剰人気してしまうと手を出しづらいのが本音。
みなさんは、3年前のスマイルトゥモローを覚えているだろうか。2歳〜3歳初期に、芝1200m〜芝1600mで活躍していた牝馬だ。彼女はスピードの勝ったタイプだったが、賞金的に桜花賞出走は困難だったため、目標をオークスに定めていた。そして、初めて使った芝1800mのフラワーカップ、3コーナー先頭という強引な競馬で重賞を勝ってしまった。方針変更、陣営は桜花賞出走を決める。
芝1200mの速い流れに対応できて、芝1800mのペースでは我慢できずに先頭に立ってしまう。先行力があって力強い。「ハイペースの桜花賞はベストの舞台だ」ということで、本番でも穴人気になった。しかし、結果は6着敗退。速い流れについていくことができなかった。そんな馬が快勝したのが、オークスというレースだった。
エイシンテンダー。芝1200mでペニーホイッスルを斬り捨てた菜の花Sは圧巻だった。芝1200mの流れに対応できて、芝1600mのチューリップ賞では先行抜け出しの横綱相撲ができる馬。桜花賞でも穴人気になった。しかし、スタートで後手を踏み、速いペースについていけずに6着敗退。こういう馬が最も実力を発揮できるのは…
歴史は何度も繰り返す。シーザリオはエイシンテンダーの出し抜けを食らう。福永祐一はオークスを勝てない。それが僕の予想だ。もし、シーザリオが圧勝するようなら、2着は無欲のアドマイヤメガミじゃないかな。皐月賞の「注 シックスセンス」の反省として、この馬券を押さえておいてもいいような気もするな。
買い目は、勝負の馬単・安心の馬連・もしものための縦目捕獲。
■ 参考レース
http://d.hatena.ne.jp/tubame0604/20050503/p2
http://d.hatena.ne.jp/tubame0604/20050426/p1
http://d.hatena.ne.jp/tubame0604/20050411/p1