オオカミ少年 -超-

だらだらと当たらない予想を書き続けていたら元号が変わっていたの儀

第49回 有馬記念   晴・良

1. ○ ゼンノロブロイ    ペリエ  ① 2:29.5(レコード)
2. △ タップダンスシチー  佐藤哲三 ③ 1/2
3. ◎ シルクフェイマス   四位洋文 ⑨ 1 1/2

∴ 的中馬券 馬連 12.4倍×1500円、三連複 58.6倍×1500円


ラップタイム

上り  47.5 - 35.6
7.0 - 11.6 - 11.5 - 11.7 - 12.3 - 12.4 - 12.0 - 11.7 - 11.8 - 11.9 - 11.6 - 11.6 - 12.4

コスモバルクは岡田オーナーの意向通りに中団待機策、コイントスヒシミラクルが先行集団を作る中、軽快に逃げたのはタップダンスシチー。それを見て、「相手はタップ、ただ1頭!」と決め込んで、最内から上がっていくオリビエ・ペリエゼンノロブロイ



秋の中距離GⅠでは初めてとなる、淀みのないハイペース。本当のハイペースとは、前半のラップタイムが速いことではない。道中のラップタイムの差が少ないことである。「時速150kmのボールよりも、初速度と終速度の差が少ないボールのほうが、“伸びる”ために打ちにくい」というのは、プロ野球ファンはよく聞く話だろう。見せかけの数字に騙されてはいけないのだ。


タップダンスシチーが出てくる時は、得てしてそういうペースになりやすい。スローペースでの瞬発力勝負に慣れきった馬は、追走するだけでスタミナを消耗して脱落する、本当に強い馬だけが生き残る、いわゆるサバイバルレースになる。イングランディーレが逃げきった天皇賞・春とは、まったく性質が異なる競馬が形成されるのだ。


「ハイペースなのに前残り」は、摩訶不思議でも何でもない。強い馬が前で競馬して、そのまま押し切ったというだけ。逃げたタップダンスシチー、2番手から積極的な競馬をしたゼンノロブロイは、ただ純粋に「強かった」のだ。ペースの恩恵だとか馬場適性だとか、そういう次元を超越して、ただ純粋に強い馬だけが勝ち残るレースだったのだ。


となれば、宝塚記念でもっとも厳しい競馬を強いられながら2着に健闘したシルクフェイマスが3着に善戦することは想像に難くない。実際にシルクフェイマスの激走は、ネット上ではみんな予想していたしね。

シルクフェイマスの馬体重は、480kg(+14kg)まで回復していた。中間一頓着あったことで人気を下げていたが、秋の天皇賞のレース回顧でも書いたように、ジャパンカップに登録しないで有馬記念一本に絞ってくるならば、間違いなく好走できると思っていた。もし絶好調だったならば、もっと前々につけられたはずだし、上位2頭との差はもっと縮まっていたと思う。まあ、絶好調じゃなかったのは上位2頭も同じなのだが…


ゼンノロブロイは、本気で有馬記念を狙っていたのなら、京都大賞典には使わなかったはず。実際にジャパンカップという大目標を制した後は、馬なり調教ばかりに費やしていた。前走の出来をキープするのに必死だった。体調は8分がいいところか。


一方のタップダンスシチーは、それなりに仕上がっていた。さすがに仕上がりの早いタイプだけある。でも、所詮は前哨戦レベル。もし万全の状態なら、ゼンノロブロイに並ばれた時点で、もう一度伸びたはず。本当に凄い馬だ。

結局のところ、上位の3頭は手負いの状態で、後続を完封したことになる。嬉しいことに3頭とも「来年も現役続行」だそうで、それぞれが万全の状態で激突するレースが見れると思うとワクワクする。この「聖域」には他馬の付け入る隙はないよ。