オオカミ少年 -超-

だらだらと当たらない予想を書き続けていたら元号が変わっていたの儀

京都11R  第29回エリザベス女王杯  芝2200m

メイショウバトラー   6人気 8着
スティルインラブ
グローリアスデイズ


秋華賞の新設に伴い、エリザベス女王杯古馬解放されたのが8年前。
当時、ファビラスラフインから始まった社台のGⅠ連勝記録が話題になっていて、1番人気に推されたダンスパートナーもその記録を伸ばすことに貢献する。*1 年増女の年増女による年増女のためのGⅠはこうして誕生した。


ダンスパートナーエリモシックメジロドーベルファレノプシス
エリザベス女王杯は「強い古馬牝馬が勝ち切る」レースとなった。「女心と秋の空」はいつしか秋華賞の風物詩となり、気性の安定しない3歳馬を古馬が経験で捻じ伏せるという図式が定着した。*2 そんな傾向を測りかねてか、JRA側は秋華賞の日程を1週間だけ前倒しすることになる。より強いレベルの3歳馬の出走を求めて。


レース体系の改訂元年、オークス馬のシルクプリマドンナが出走してきて惨敗。
しかし、前哨戦のローズSでも、1番人気に押された秋華賞でも惨敗しており、明らかに完調での挑戦はなかっただけに競馬ファンはこの結果を度外視した。


改訂2年目、"3強"と呼ばれた3歳馬が揃いも揃ってこのレースに出走してきた。阪神JF桜花賞秋華賞を制したテイエムオーシャンオークス馬のレディパステル、GⅠ2着2度の末脚を持つローズバド。対する古馬勢は、長期休養明けのトゥザヴィクトリーが大将格という手薄な布陣。誰もが3歳馬の上位独占を思い描いていた。*3 結果はトゥザヴィクトリーのハナ差V。レディパステル4着、テイエムオーシャン5着。人気の3歳勢は、ローズバドが2着に食い込むのがやっとだった。*4





「熟女の意地」「古馬の経験」
ファインモーションのようなずば抜けた馬なら突破できるが、クラシックレースでそこそこの成績しか出せなかった馬にとっては、これは予想以上に梃子摺るものらしい。*5 女同士の戦いは駆け引き上手が制するもの。人間社会の恋愛関係と一緒である。


今年は"抜けた"3歳馬であるダンスインザムードが出走してきてない。
古馬の"エース"格、ファインモーションも存在しない。アドマイヤグルーヴは完璧に仕上げた前走の-12kgからの中1週。調教を見る限り、本調子には程遠い出来。本命の彼氏にフラれたからといって、慌てて呼び出したキープの男を軽々ゲットできるほど競馬の世界は甘くない。このストーリーの主人公は彼女じゃない。


ほら、彼女の同世代にちょっと地味だけど可愛らしい女の子がいるではないか。





本命 メイショウバトラー (56kg 武幸四郎
全てはこの日のためだけに。3冠牝馬が良血娘が牡馬相手に苦戦を強いられてる中、得意の舞台小倉で己を磨き続けてきた。現5歳以上の世代にGⅠを制する力がないことは昨年のこのレースで証明済み。現4歳世代で牡馬相手に好走したのはこの馬だけという紛れもない現実。そして、ティコティコタックの怨念(関係ない


さらに、オースミハルカの「2番手宣言」がきた。
単騎逃げ確定。府中牝馬Sの再現だ。どうせオースミハルカはギリギリまで仕掛けてこない。なぜなら、距離に不安があるからだ。川島信二はギリギリまで仕掛けを待って、最後の最後で差し切ろうとしてくるはず。ちょうど前走のように。


まさに武幸四郎の思う壺ではないか。メイショウバトラーは道中13秒台のラップが踏める上に4角で楽に後続を引き離せる。前走は余裕のある馬体*6 でのハナ差負けだった。万全の状態で臨む今回はもう差されない。小倉記念を見てもわかるだろう。この馬は内埒沿いしか走れない馬ではない。4角で先頭にいるのはこの馬なんだ。状態のいい馬場の真ん中は奪ってしまえばいい。そうすれば、荒れた芝を通らざるを得ないスイープトウショウアドマイヤグルーヴは届かない。


土曜の芝レース、池添謙一武豊もあのコースを通ったからこそ差し切れたのだ。
それがこの日の完璧な伏線となる。「逃げ馬は内埒沿いしか通らない」・・・それは並の逃げ馬の話。直線に坂のない京都では加速したら止まらない、気付いた時にはもう遅い。作戦勝ちでも勝ちは勝ち。そういう伏線を紐解くのが僕の仕事。





対抗 スティルインラブ (56kg 幸英明
前走は33秒台の末脚を繰り出しての3着とは言え、あの位置にいたのなら差し切らなければいけないレースだった。往年の勢いはもうない。ここでダメなら、もう引退だろう。それほどまでの覚悟は陣営も固めてるはずだ。僕はそこに賭けてみたい。


アドマイヤグルーヴは、天皇賞・秋が目標のローテーションだった。
スティルは最初からこのレースしか見ていない。後も先もない。京都との相性も悪くない。今回、メイショウバトラーとともに状態のいい芝を走れるのは、前々で競馬できるこの馬とオースミハルカだけ。単勝は人気してるが、連人気はそれほどでもない。





このレースは、ワイド一点勝負で仕留めてみたい。

ワイド 10-15  3000円

*1:この記録は、翌週のマイルCSのジェニュインまで続いた

*2:3歳馬で連対したのはフサイチエアデールだけ

*3:僕は◎ティコティコタックという捻くれ者だったがw

*4:あの時、テコテコ=トゥザの馬連を3000円持っていた僕の気持ちがわかるか!(泣

*5:昨年は出走馬の半数が3歳馬という古馬超不作の年だったので度外視

*6:小倉参戦時 496kg → 東京遠征 504kg