第65回 菊花賞 晴・良
1. … デルタブルース 岩田康誠 ⑧ 3:05.7 2. … ホオキパウェーブ 横山典弘 ④ 1 1/4 3. … オペラシチー 佐藤哲三 ⑥ 1/2
∴ 的中馬券なし
8番人気の伏兵、デルタブルースが優勝。予想通りの波乱の結末。
「強い馬が勝つ」というより、「勝った馬が強い」というのが最近の菊花賞のトレンド。*1 先行馬にとって不利な大外枠を克服しての勝利だし、この馬も例に漏れず「強い」のだろう。コスモバルク相手に「勝ちに行って」のロングスパートは見事だった。
さて、デルタブルースは本当に「買えない」馬だったのか?
そんなことはない。父はダンスインザダーク、騎手は追える岩田康誠*2、前走は長距離で古馬と対戦・・・・「買える」材料は豊富に揃っていた。しかし、あまりにもわかりやすいミッシングリングためか予想以上に穴人気していたし、それでも内枠に入れば買ったと思うが、引いたのは大外枠だった。さらに、前日のオパールSで、ダンス産駒馬力型のマーベラスダンスが、SS産駒瞬発力型のテイエムテンライに完敗していたことも響いた。その瞬間、僕は「馬力馬場」という自分の判断に疑いを持ったからである。
まあ、勝因はいろいろあるだろうが、馬群が固まらなかったことが大きい。
コスモバルクが引っ張る比較的速いペースになったおかげで、馬群が縦長になった。おかげで馬がバラけ、大外発走にも関わらず、終始、内埒から3頭目の位置を走ることができた。ここで距離のロスを防げたのが最大の勝因。あとは父から受け継いだ類稀なスタミナを武器にロングスパートすればよい。4角先頭、もはや横綱相撲である。
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ラップタイム
上り 48.1 - 35.8
12.8 - 11.9 - 11.3 - 12.4 - 12.0 - 11.9 - 13.3 - 12.8 - 12.8 - 12.9 - 13.5 - 12.3 - 11.8 - 11.7 - 12.3
コスモステージは作戦通りに出遅れ、始めはブルートルネードが行こうとしていた。
しかし、大方の予想通り、外のモエレエルコンドルに煽られて、コスモバルクが引っ掛かってしまう。そのままスピードの違いで先頭へ。「よし、序盤から11秒台の殺人ラップ完成だ」と思ったのも束の間、なぜかここで田中剛が手綱を引く。
おかげで、バルクは12秒台、13秒台とどんどんラップを落とす結果に。*3
田中剛騎手は「障害の騎手がバルクの邪魔をした」と叩かれるのがイヤだったのか。それとも、マイネル軍団の総帥に「栄養費」を貰っていたからなのか。真相は定かではないが、勝つ気がないなら出てこないで欲しい。
結局、コスモバルクはこれ以上ない恵まれたペースで競馬できた。
それでも粘りきれなかったのは、「3000mが本質的に長かった」というより他にない。今後はジャパンカップから有馬記念に向かうようだが、コーナーを何度も回り、先行馬に有利な有馬記念のほうが好結果が出ると思う。とにかく、よく頑張った。
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他の人気馬の結果
■ ホオキパウェーブ (4人気 2着)
京都外回りでインを強襲するのが横山典弘の得意技。*4 完全に騎手の腕。最後は一杯になっていたように、適距離は2400mぐらいなのだろう。輸送も問題なかったみたい。
■ オペラシチー (6人気 3着)
もっと上手く乗れば勝てたはず。現時点では瞬発力の差というか勝負所での反応の遅さが致命的。本格化するのは来秋以降かも。
■ スズカマンボ (5人気 6着)
1800m〜2400mの適距離で、瞬発力が生きる馬場でやれば、もっと変わると思う。母父キングマンボだし、クラシックディスタンスのほうが合ってるはず。
■ ハーツクライ (1人気 7着)
武豊が自身の日記で「敗因がわからない」と言っていたが、「そもそも弱い」だけではないか。同じ他力本願で負けた馬でも、シルクジャスティスは終いきちんと伸びていたのに*5、ハーツクライは脚色が同じになっていた。GⅠでは警戒しなくてもいいと思う。
■ ハイアーゲーム (3人気 11着)
右回りはまったくだめ。4角ではまったく手応えがなかった。蛯名正義の「秘策」というのは案の定「内埒スパート」だったようだが、内埒沿いをズルズル後退していただけ。左回りに変わればもっとやれるだろうが、そもそもこの秋は体調がよくないように思える。これも青葉賞、ダービーと殺人馬場を経験してきたツケなのだろうか。
■ ケイアイガード (7人気 16着)
さすがに距離が長かったか。この馬は京阪杯あたりで再度、見直したい。